厚生労働省では“労災の撲滅”に向かって、平成11年4月に「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」を公表しましたが、これを受けて建設業労働災害防止協会では、建設業も容易に取り組めるように、建設業版の労働安全衛生マネジメントシステム(Occupational Health and Safety Management System)のガイドラインを作成し、「COHSMS」(コスモス)として普及促進を図っています。
近年、労働災害は減少しているものの、大きな改善には至っておらず、従来の対策にも限界が見えはじめたことやベテランの安全担当者が徐々に減っており、折角のノウハウも伝承できない、という業界内の危機感が背景にあります。また、依然として安全衛生管理のレベルのバラツキや支店・作業所間、元請・専門工事業者間の意識の差も大きな問題として指摘されています。
“システム”というと、ISOの品質管理システム9000sをイメージされる方も多いのでは? 実は、OHSMSも国際基準として世界共通のものになる動きがありましたが、各国の状況が異なるため、結局ILO(国際労働機関)のガイドラインとなったようです。つまり、考え方や進め方は、かなりISOに似ており、すでに9000sや14000sを取得もしくは取り組んでおられる企業には馴染みの有るシステムといえます。
簡単にいえば、「安全衛生の活動を事業者と社員のみなさんが協力し、店社と作業所が一体となって、システムを確立し、P(計画)→D(実行)→C(チェック)→A(改善)のサイクルで進めていくこと」ですが、従来の“災害の再発防止”から一歩進んで、事前に作業に潜む「危険・有害要因」を特定した上で、組織的・継続的にそのリスクの排除を行うものです。